基本情報技術者試験「調達マネジメント」の問題
作業範囲を事前に確定しにくい研究的な開発を外部委託する。発注者が受注者の実際にかかった費用を償還したうえで、別途あらかじめ定めた報酬(フィー)を支払う契約形態として最も適切なものはどれか。
ア作業範囲と価格を着手前に確定して成果物単位で価格を固定する定額一括請負契約
イ実費に固定フィーを加えて支払う実費償還契約(コストプラスフィー)
ウ作業を一切行わない無償の事前協議のみの契約
エ発生確率に応じて報酬が変動する保険契約
正解
イ.実費に固定フィーを加えて支払う実費償還契約(コストプラスフィー)
実費償還契約(コストプラスフィー契約)は、受注者が実際に要した費用を発注者が償還し、それに加えてあらかじめ定めた報酬(フィー)を支払う形態である。作業範囲が確定しにくい場合でも着手でき、コスト変動リスクは主に発注者が負う。設問の『実費償還+別途報酬』『範囲不確定』に合致する。
?選択肢ごとの解説
ア ×定額一括請負契約は範囲と価格を事前に固定する形態で、コスト超過リスクは受注者が負う。範囲が確定しにくい研究的開発には適さない。
イ ○実費償還契約(コストプラスフィー契約)は、受注者が実際に要した費用を発注者が償還し、それに加えてあらかじめ定めた報酬(フィー)を支払う形態である。作業範囲が確定しにくい場合でも着手でき、コスト変動リスクは主に発注者が負う。設問の『実費償還+別途報酬』『範囲不確定』に合致する。
ウ ×無償の事前協議のみの契約は実際の開発作業を伴わず、開発を委託する本問の前提に当てはまらない逃げの選択肢である。
エ ×発生確率に応じて報酬が変動する保険契約はリスク転嫁の手段であり、作業の対価を支払う調達契約形態ではない。
✎くわしく
調達契約は大きく定額契約・実費償還契約・タイムアンドマテリアル(T&M)に分かれる。定額は範囲確定向きで受注者がコストリスクを負う。実費償還は範囲不確定向きで発注者がコストリスクを負い、フィーの決め方で固定フィー・インセンティブフィー等に細分される。T&Mは両者の中間で、単価×実績工数で精算する。本問は『実費+別途報酬』という実費償還の定義そのものを問うており、範囲不確定との相性も判断材料になる。
✓本番での押さえどころ
試験のコツ
『実費を償還+フィー』『範囲不確定』なら実費償還、『範囲・価格固定』なら定額、『単価×実績』ならT&Mと振り分ける。
覚え方
コストプラスフィー=『コスト(実費)+プラス(加算)+フィー(報酬)』と語の構成そのままで覚える。
よくある誤り
実費償還とT&Mの混同が多い。T&Mは単価ベースの精算、実費償還は実費+フィーで、リスク負担(発注者側)の方向は共通だが計算方式が異なる。
プロジェクトマネジメントの他の問題
プロジェクトマネジメントにおいて、プロジェクトの作業を成果物単位で階層的に分解し、管理可能な大きさの作業(ワークパッケージ)…あるプロジェクトの作業を表すアローダイアグラムにおいて、作業A(3日)→作業C(4日)、作業B(5日)→作業C(4日)の順に…あるプロジェクトの進捗をEVMで評価したところ、ある時点でPV=400万円、EV=320万円、AC=360万円であった。この…プロジェクトで識別したリスクへの対応として、リスクが顕在化した場合の責任や影響の一部を保険契約や外部委託によって第三者へ移す…プロジェクトマネジメントの知識エリアにおいて、プロジェクトの各要素(範囲・日程・コスト・品質など)を矛盾なく調和させ、変更要…プロジェクトの実行中に、正式な変更管理の手続を経ないまま、依頼や追加要望が少しずつ取り込まれて作業範囲が当初計画より膨らんで…
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ukamiru 過去問 · 基本情報技術者試験 · fe-a2-0141