基本情報技術者試験「暗号アルゴリズムの危殆化」の問題
D社の社内システムは、長年ハッシュ計算に旧来のMD5を使っている。セキュリティ監査で『当該アルゴリズムは安全性が低下し、推奨リストから外れている』と指摘された。D社が取るべき対応として、最も適切なものはどれか。
ア運用実績が長く障害も出ていないため、現行アルゴリズムの利用を継続する。
イ同じアルゴリズムのまま、出力するハッシュ値の桁数を増やして運用する。
ウ電子政府推奨暗号リストに掲げられた方式へ計画的に置き換える。
エハッシュ値を二重に計算して連結し、見かけ上の長さを伸ばして使う。
正解
ウ.電子政府推奨暗号リストに掲げられた方式へ計画的に置き換える。
暗号アルゴリズムの危殆化とは、計算能力の向上や解析手法の進歩で安全性が低下することである。推奨リストから外れたMD5は衝突攻撃が現実的になっている。CRYPTRECの電子政府推奨暗号リストなど信頼できる基準で安全とされる方式へ計画的に置き換えるのが、根拠ある正しい対応である。
?選択肢ごとの解説
ア ×運用実績の長さは安全性を意味せず、危殆化したアルゴリズムを使い続けることは攻撃成立のリスクを放置するため不適切である。
イ ×アルゴリズム自体に欠陥がある場合、出力桁数を増やしても弱点は解消せず、安全性は本質的に向上しない。
ウ ○暗号アルゴリズムの危殆化とは、計算能力の向上や解析手法の進歩で安全性が低下することである。推奨リストから外れたMD5は衝突攻撃が現実的になっている。CRYPTRECの電子政府推奨暗号リストなど信頼できる基準で安全とされる方式へ計画的に置き換えるのが、根拠ある正しい対応である。
エ ×同一アルゴリズムを二重計算して連結しても元の弱い演算に依存したままで、衝突攻撃への耐性は本質的に改善しない。
✎くわしく
暗号の安全性は時間とともに低下するため、定期的な見直しと移行が不可欠である。日本ではCRYPTRECが安全性を評価し電子政府推奨暗号リストを公表しており、これを移行判断の客観的な拠り所とするのが実務上の定石である。
✓本番での押さえどころ
試験のコツ
危殆化アルゴリズムの指摘には『CRYPTREC等の推奨方式へ計画的移行』が正解。継続利用や小手先の対処は誤り。
覚え方
暗号は『賞味期限がある』。期限切れ(危殆化)は信頼できるリスト(CRYPTREC)で新しいものへ入替え。
よくある誤り
『今まで問題なかったから大丈夫』と現状維持を選ぶ。危殆化は将来の攻撃可能性の話であり実績では否定できない。
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ukamiru 過去問 · 基本情報技術者試験 · fe-b-sec-0148