基本情報技術者試験「生体認証」の問題
N社の入退室用の指紋認証で、正規の社員が本人であるのに拒否されて入室できない苦情が多発している。一方で部外者が誤って受け入れられた報告はない。利便性に関する苦情を減らすための調整として、最も適切なものはどれか。
ア登録指紋との一致度がきわめて高いときに限り受け入れるよう、判定の基準を引き上げる。
イ受け入れに必要な一致度の基準をやや引き下げ、正規の本人が弾かれにくくなる側へ調整する。
ウ指紋による判定を補助にとどめ、各社員へ配付したICカードの提示を入室の主たる条件とする。
エ読取り部に指を強く押し当てるよう各社員へ指導し、採取される画像の鮮明さを高める。
正解
イ.受け入れに必要な一致度の基準をやや引き下げ、正規の本人が弾かれにくくなる側へ調整する。
苦情の原因は本人拒否率(FRR)の高さである。生体認証ではFRRとFAR(他人受入率)はトレードオフの関係にあり、受け入れに要する一致度の基準を引き下げればFRRは下がる。本件は他人受入の報告がなくFARに余裕があるため、基準を緩める調整が利便性改善に直結する。
?選択肢ごとの解説
ア ×判定基準を引き上げると一致度の要求が上がり本人拒否率がさらに高まるため、苦情は悪化する。
イ ○苦情の原因は本人拒否率(FRR)の高さである。生体認証ではFRRとFAR(他人受入率)はトレードオフの関係にあり、受け入れに要する一致度の基準を引き下げればFRRは下がる。本件は他人受入の報告がなくFARに余裕があるため、基準を緩める調整が利便性改善に直結する。
ウ ×ICカードを主条件にすると所持要素への切替えとなり、指紋のFRRが高いという調整可能な問題を運用変更で迂回するだけで、本来の閾値設定を是正しない。
エ ×押し当て方の指導は読取り品質の補助にとどまり、判定基準に起因するFRRの高さという根本要因を是正しない。
✎くわしく
生体認証の精度はFRR(本人拒否率)とFAR(他人受入率)で評価され、閾値を厳しくすればFARは下がるがFRRは上がり、緩めれば逆になる。両者が等しくなる点をEER(等価エラー率)と呼ぶ。運用では求める安全性と利便性のバランスで閾値を設定する。
✓本番での押さえどころ
試験のコツ
本人が拒否される=FRRが高い。FARに余裕があれば閾値を緩めてFRRを下げる。両者はトレードオフ。
覚え方
FRRは『本人を弾く(Reject)』、FARは『他人を入れる(Accept)』。厳しくすると本人も弾かれる。
よくある誤り
FRRとFARの方向を取り違え、利便性を上げたいのに閾値を厳格化(FAR低減側)してしまう。
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ukamiru 過去問 · 基本情報技術者試験 · fe-b-sec-0038